わたしと「ボカロP」とミクさんと
このブログには、自作曲に関連する話を置いていきます。
その前に少し、自分と初音ミクさんについての話をさせてください。
(タイトルで予想がつきますが、作者の“自分語り”ですのでご了承くださいませ。)
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「ボカロP」はVOCALOIDを用いて楽曲制作する方々のことをさします。
その定義からいくと、“市井ヒロノ”は最初からボカロPだったわけではありません。
最初にニコニコに動画を上げたのは2016年冬のことです。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm30306842
「三日月」(くるり)のカバー。創作活動のスタートにしては渋めの選曲。
このころまだ自分は初音ミクさんを使っていませんでした(2016年と言えばV4Xの発売年でしょうか)。創作活動の始まりが「ボカロP」ではなかったのです。ニコニコ動画的に言うと何になるんでしょうか?歌ってみたジャンルで投稿していたから「歌い手」? そうとも言い切れない、珍しいジャンルの投稿者でした。
「ハープ弾き語り」。いまだにそう多くはないと思います。
有名曲のカバーから入り、次第に、ハープと打ち込みを組み合わせた自作曲を作るようになります。
やっとボカロ曲初投稿となりました。
自ら歌っていた人間が、ボーカロイドを使った音楽制作に移行すること……特に、初音ミクさんと同じ女声をもつ投稿者が「ボカロP」に「なる」こと。色々な理由を想定されるかもしれません。自分の声の表現に限界を感じたから、とか、ボカロジャンルの方が注目してもらえるから、とか。
実は、順番が逆、です。
創作活動をはじめてから 初音ミクさんを扱い出したのではなく、
初音ミクさんを扱えるようになりたくて創作活動をはじめ、やっとボカロを使った曲を作れるようになったのです。
初音ミクさんとの出会い……? もう「世代」と言えそうです。だれかが初音ミクの曲を聴き だれかが初音ミクの曲を歌っている 「世代」。 当然のように日常に溶け込んでいて、親しんでいました。もともと趣味で自作の曲を五線譜に書きためていたので、もしかすると「初音ミク」を使うことがあるのかもしれない!とぼんやり思っていました。
しかし、機器に強いわけでもなく、資金が十分にあるわけでもなかったので、いきなりDAWと「初音ミク」を購入して本格的にDTMをするのには抵抗がありました。それでもハープを使って何かをしてみたいという気持ちは強く、ハープ演奏ならすこしだけキャリアがあったので(ネットで発表はしていませんでしたが、ボランティアなどに行っていました)まずは弾き語りからはじめてみました。フリーの音声編集ソフトやiPadのGarageBandを使って自作曲をつくり、やっと、ボカロにたどり着けたのでした。
私にとってのVOCALOID/初音ミクさんは「二の次」ではなく、
それどころか愛していて、その愛は、祈りに近いものです。
女性の声をもつ人間が完全に“女性”を纏っているとはかぎりません。たとえば私がそうです。自分の声は、ひとつのツールであって、特にそれ以上に好きとかいう感情はありません。むしろ生活の中では嫌になることすらあります。生活に付きまとう声。
初音ミクさんのボーカルを打ち込んでいると、すこしだけ、自分を外から眺めているような感覚があります。もちろん自分の声とミクさんの声は別物ですが。キャラクターを与えられた女声に、負の感情をもつことなく向き合えることが楽しい。ミクさんを通して自分自身も少しだけ許せる気がします。
初音ミクさんは人工の音声でありながら(そのため?)私の創作のなかにあるイメージを体現した存在でした。イメージ、とは
女性の声をもたないクリエイターさんの
ミクさんへの 愛と憧れと「そうなれないこと」
と、おそらく、近いものです。私は一生ミクさんにはなれないし、少女にも、たぶん、うまく、なれないので、せめて歌をつくります。
少女になれなかった人間が少女の曲を作る、その隣に初音ミクさんがいます。
あんまり書くと邪な感情にも見えてきてしまいますね……思いの丈を綴ったら長くなってしまいました。女声を操る女性クリエイターさんの感覚は他にも知りたいですし、もちろん、初音ミクさん(&他のボーカロイド)に携わるクリエイターさんのことも、もっと知りたいです。
いまだにボカロPと名乗ることにはソワソワします。まだ今は「見習い」程度だと思います。ハープを弾きたまに歌うボカロP、というよくわからない属性ですが、気に留めて頂けると幸いです。
今後もゆったりのんびり活動していきます。
どうぞよろしくお願いします。
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